中高生・子女教育Q&A 16 異性間でも壁のない娘

Q1:異性間でも壁のない娘

【Q】
 長女(高1)は交友関係が広く、異性とふざけ合うことも気にしていません。注意すると、「そんなふうにみるほうが嫌らしい」などと言い返してきます。
 もっと分別をつけさせたいのですが。

【A】
 恐らく娘さんには、相手を「異性」として見つめている意識はないのでしょう。しかし、「相手が自分をどう見つめているか」も考えるべきです。この点、本人にも注意を促したいですね。まずは、お母さんがなぜそれほどにも男女関係に神経をとがらせるのか……、その辺りの理由を伝えてみてはどうでしょうか。

 男女は互いにとって神聖な存在であること、男女の愛は一対一であって、天が与えられるその一人と出会うまでは初愛を大切にしてほしいということ……。中高生期に培うべきは、一人に向けられた男女間の愛情ではなく、多くに等しく開かれた兄弟姉妹としての友愛であり信頼関係です。そして、そうした友人との信頼や兄弟姉妹として尊び合う心情関係を、軽々しい男女愛に変質させてしまわないためにも、思春期の男女間には「一定の距離」が必要なのです。

 女性は男性を刺激するような仕草や声遣いをしない、男性も女性に近付きすぎない、軽々しく触れない等、それらは男女が交わる上で守るべきマナーであり、礼儀であると考えます。また、「男女二人きりの空間」をつくらないのも基本的な心がけでしょう。

 もちろん、夫婦の心情圏というのも、成長段階に応じた「健全な異性間の触れ合い」を通して培われるものです。分別を教える側においても、「異性とかかわるな」ではなく、「異性とどのように接するか」といった観点からの指導に心がけていただければと思います。

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 次回(10月3日)は、「Q2 二世間における異性関係」をお届けします。